三角比とは、直角三角形の3辺の比から定義される正弦(サイン)、余弦(コサイン)、正接(タンジェント)の3つの値のことをいいます。
直角三角形ABCにおいて、∠BAC=θとしたとき、三角比は以下のように定義されます:
三角比の定義の覚え方として、「サイン、コサイン、タンジェントの頭文字(s,c,t)の筆記体」と、「三角比の割り算の分母、分子」を対応させる方法があります。
※ 角度θを左側、直角を右側に見たときのイメージです。
よく使用される特殊角の三角比の値について解説します。
1辺の大きさが2の正三角形を半分にすると、角度30°を持つ直角三角形を作ることができます。
三平方の定理から、この直角三角形の3辺は「斜辺が2、底辺が√3、高さが1」となります。
三角比の定義から:
1辺の大きさが1の正方形を半分にすると、角度45°を持つ直角三角形を作ることができます。
三平方の定理から、この直角三角形の3辺は「斜辺が√2、底辺が1、高さが1」となります。
三角比の定義から:
1辺の大きさが2の正三角形を半分にすると、角度60°を持つ直角三角形を作ることができます(30°の三角形を回転させた形)。
三平方の定理から、この直角三角形の3辺は「斜辺が2、底辺が1、高さが√3」となります。
三角比の定義から:
角度 | 30° | 45° | 60° |
---|---|---|---|
sin θ | 1/2 | 1/√2 | √3/2 |
cos θ | √3/2 | 1/√2 | 1/2 |
tan θ | 1/√3 | 1 | √3 |
三角比には以下の重要な関係式があります:
これらの関係式は、単位円上での三角比の定義からも導くことができます。
単位円(半径1の円)上の点P(x, y)の座標は:
ここでθは、x軸の正の部分から反時計回りに測った角度です。
このように単位円を使うと、三角比をより一般的な角度(鋭角だけでなく鈍角や負の角度など)に拡張できます。